「4つのS」を徹底解説！10年後も通用する人材になるために②

多くの方が、シナリオ思考について「わかりました。それでは、どうすればその能力を高めることができるのでしょうか？」と疑問を抱くでしょう。まず、この思考を磨くためには、「世の中はこう変わっていくだろうから、今これをやるべきだ」というような、自分なりのロジックや未来予測を持つことが大切です。

シナリオ思考を身につけるためには、幅広い分野の情報に触れ、常に自分の現状認識を更新することが不可欠です。特に、今の時代は本や新聞、ニュースに触れる人が減っているため、それを逆手に取り、自分の強みとするチャンスです。例えば、通勤時にスマホでニュースや新聞記事を読むだけでも、周囲のビジネスパーソンに差をつけることができるでしょう。情報収集を日常に取り入れ、未来を見通す力を養いましょう。

広い視野を持つためには、歴史や社会学、社会制度といった「教養」が欠かせません。特におすすめしたいのが「地政学」を学ぶことです。この分野では、最新の時事問題を通じて、世界史や地理などの幅広い知識を自然に身につけることができます。ただの「暗記」よりも効率的で、実務にも活かしやすい内容が多いため、学びの効果が高いでしょう。

知識がある程度身についたら、国内外や技術界の「問題点」や「解決策」について、自分の考えや未来予想をアウトプットすることが大切です。例えば、MBAなど社会人大学院で社外のフラットな学び仲間と「対話（議論）」する機会を持つと、視野を広げることができ、異業種の人脈も広がります。「現在の社会にはどんな課題があるか」「10年後には何を成し遂げたいか」など、率直な疑問や意見を共有し、深い議論を交わしてみましょう。

インプットと議論を積み重ねて視野を広げると、世界にはどんなチャンスがあり、どのような課題が存在し、何が求められているのかが見えてくるでしょう。その過程で「リタイア後はこれに取り組もう」「このスキルを活かしていこう」と思える新たな方向性がふと浮かぶかもしれません。シナリオ力（戦略立案力）を高めるためのインプットの努力は、自分自身の人生戦略を築くためにも大いに役立ちます。

科学リテラシー（サイエンス）を身につけるには、自分の興味に合わせて学びを進めることが重要です。多くの文系出身者は、データ分析や科学知識など「理系的なもの」に対して苦手意識を持つことが少なくありません。これを克服するためには、学びの切り口を工夫することが大切です。自分の関心を引きつける方法を見つけることで、自然と科学的な知識に触れることができるでしょう。

例えば、投資に関心がある方は、データドリブン投資（データ分析に基づく投資手法）を学ぶことから統計学に挑戦するのも一つの方法です。また、野球が好きな方であれば、自分の応援するチームの強みや弱みをデータで分析することもできます。興味のある分野を切り口にして、楽しみながら学ぶことで、自然と科学リテラシーを身につけることができるでしょう。

今回の記事では、戦略立案力や科学リテラシーを高める具体的な方法について解説しました。これらのスキルは、今後のキャリアを支える重要な柱となります。次回の記事では、スピード感と危機管理意識を中心に、さらに深く掘り下げていきます。10年後も通用する人材になるための学びを続け、未来に向けた確かな一歩を共に踏み出していきましょう。