「4つのS」を徹底解説！10年後も通用する人材になるために③

スピード感を持って意思決定を行うためには、強いリーダーシップが欠かせません。ただし、単に決断を早くするだけでは、チームの信頼や協力を得ることは難しいでしょう。真に重要なのは、チームの意見をうまく取りまとめ、リスクを十分に考慮しながら、全員が納得できる形で物事を前に進める力です。これがリーダーシップの本質であり、スピード感を活かすための鍵となるのです。

リーダーシップを育むための最も効果的な方法は、自分が「この人を見習いたい」と思えるリーダーを見つけ、その行動や考え方を真似ることです。幸運にも社内にそう感じる人物がいれば理想的ですが、もし難しい場合は、著名な経営者の中から、自分の理想とする人物を探してみるのも良いでしょう。リーダーシップは、単なる知識の蓄積ではなく、実際に優れたリーダーの姿を見て、見様見真似でも「実践」を重ねることで初めて身につくものです。繰り返し実践する中で、自分なりのリーダーシップが自然と形成されていくでしょう。

危機管理意識（セキュリティ）を高めるためには、まずリスク感度を向上させることが重要です。具体的には、自分の身の回りに潜むリスクとそれに対する対策をリストにまとめてみましょう。何を守りたいのか、その脅威は何かを明確にすることで、より実効性のある対策が見えてくるはずです。

もし「収入」を守りたいと考えるのであれば、まずは会社の主力事業におけるゲームチェンジや、それに伴う経営状況の悪化が一番の脅威となるでしょう。また、自分のスキルの陳腐化や、定年が迫ることもリスクとして挙げられます。具体的なリスクと、それに対して自分が取れる対応策をセットで考えてみると、これまで気づかなかったような落とし穴が見つかるかもしれません。さらに、もし向上心があれば、日本が遅れを取っている「自分に有利な土俵（ルール）を構築する力」についても学んでみる価値があります。

これまでの企業人生で培ってきた自分自身の「仕事の流儀やノウハウ」を言語化することにも、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。このプロセスを通じて、自分のスキルを再確認し、稼ぐ力をさらに高めることができるでしょう。

現場での仕事に加え、管理職として誰かを説得したり、部署間の調整を行ったり、部下の能力を引き出す手助けをするなど、皆さんには多くのノウハウがあるはずです。それらを「暗黙知」として放置せず、あたかも「マニュアル＝秘伝の書」のように言語化し、書き出してまとめてみましょう。これは、誰かに仕事を引き継ぐためだけでなく、自分のスキルの内容やその偏りを把握し、これからのキャリアに必要な次のステップを見つけるための有効な手段です。

また、シナリオ思考の中でも「社会課題」に対する意識を高めることは特に重要です。世界中で起こる環境問題や紛争、貧困といった課題に対して、日本や諸外国がどのような解決策（法規制や補助金制度など）を講じ、国益に結びつけようとしているかを理解することが、未来を見通すためのカギとなります。事件やゴシップだけでなく、ぜひこうした情報にも意識を向けてください。おすすめは、海外メディアを直接チェックすることです。オリジナルの日本語版がある媒体や、自動翻訳を活用することで、難易度を感じることなく情報にアクセスできます。結局のところ、学びへの意欲が鍵となるのです

社会人向けの資格は、多くの場合、想像以上に勉強が求められるように設計されています。「資格を取れば将来は安泰」というわけではありませんが、学生時代のように「真剣に学ぶ感覚」を取り戻すことは、社会人にとって大きな挑戦です。頭では学びの重要性を理解していても、なかなか行動に移せない方は、資格取得を通じて再び学びの感覚を取り戻すことをお勧めします。

今回の記事では、リーダーシップの育成と危機管理意識の向上について詳しく解説しました。スピード感を持った意思決定のためには、リーダーシップを育む「真似る力」が不可欠です。また、自分の収入やスキルを守るためには、リスク感度を高め、具体的な対策を講じることが重要です。今回のシリーズを通じて紹介した「4つのS」は、今後のキャリアを支える重要な柱です。これらのスキルを活かし、変化の激しい未来に対応できる柔軟な人材へと成長しましょう。